The Zoids Bible: Zi History File
Transcript (Part 2)
Contents:
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古代ゾイド人
〈惑星Ziの異端 ゾイド人〉
〈10万年前〉
■ ゾイドとゾイド人
ヒューマノイドタイプのゾイド人のルーツは、明確には判っていない。
微惑星群落下による惑星Ziの気候激変後、地球型大気に安定した時代の中で発生。樹上生活をしていた小動物から進化したというのが、現在最も有力な学説だ。しかし、ゾイドコアを持たないので、生物分類学上、ゾイドとは別の種族と考えられている。
鋭い牙も無く、硬い外殻も持たず、ゆえに身を守るため樹上で生活し、巨大な外殻生物から逃げ回ることしかできなかったこの無力な樹上小動物は、生存のために思考する器官として脳中枢を発達させていった。
彼らは、樹木上で暮らすため、体重には制限があり、従って他のZiの生物と比べて金属外殻は極めて薄く、しかしその反面、四肢の自由度が高く道具を使うことができた。
彼らの中には危険が迫ると、一定時間のみ外殻を硬化させる機能(メッキ化能力)を持つ者もいたが、基本的には、彼らは硬くて重い外殻を捨て去りより自由に動く手を使い、道具を造る技術を発達させていった。
彼らは、火を使い、布を体に纏うことで、幾度かの氷河期を乗り越えて来たのだ。
〈古代ゾイド人〉
〈メッキ化能力〉
■ 古代ゾイド人の特殊能力
今では、土中から発掘される化石でしかうかがい知ることができないが、古代のゾイド人も、他のZiの生物たちほどでは無いが、薄い金属外殻を持っていた。
これは他の生物と同じく、飲食した植物、水などに含まれている金属元素を体内に蓄積し、表皮に再構成する事の出来る器官を持っていたからであり、古代ゾイド人の絶滅種の中には全身鎧状の外皮を持つ者もいたと推測されている。
■ 薄れ行く特徴
惑星Ziの生物の最大の特徴である、金属を体内に摂取し、それを外皮の構成物とする臓器は、ゾイド人にも存在する。がそれは、約10万年に渡る進化(あるいは退化)の結果、極小化し、今では消化器官の一部となってかろうじて残っているにすぎない。
血中や外皮に、金属元素の含有量こそ多いものの、かつての古代ゾイド人のような硬い外殻を持つゾイド人は、現存種には見られない。
ただ、ゾイド人には、今でも体の一部にアザのように金属外皮殻が現れる例があるが、これは外敵から身を守ったり、生殖活動の際、優秀な異性を獲得するためのアピールなどという実質的機能ではなく、体内に摂取した金属元素の余剰分を表皮の一部に表出しているに過ぎず、体の安定のための機能と理解すべき現象である。
これは、地球人における、体毛の退化と似ており、いずれも文明の進歩とほぼ反比例して失われてゆく身体的特徴と言えるだろう。
現在、ほとんど地球人と外観が変わらなくなった現代ゾイド人に於いては、金属外皮殻をファッションや家系のシンボルとして、わざとタトゥーで顔などの目立つ場所に彫り込み、再現している者もいる。
〈現代のゾイド人〉
〈今も残るなごり〉
■ 地球人との交配
地球人とゾイド人は、外観上はほぼ同じだが、両者の体を構成する60兆個の細胞を造っている元素に視点を移すと、その差異は著しく全く別種の生物であることがわかる。遺伝子的には、交配は不可能であった。しかし、地球人とゾイド人の間には第三の種族として《セカンド》或いは《アッズ》と呼ばれるハーフが生まれている。
生命科学上絶対にあり得ないはずの異種交配が成立した事で、謎に包まれたゾイド人の起源に、地球人との何らかの共通項を見い出そうとする学者もいるが、それらの謎を解き明かすのは現在の科学を持ってしても不可能である。
〈野生ゾイドとの関わり〉
〈1万年前〉
■ ゾイドの利用
石器を造り、火を使った、約1万年前のゾイド人たちは、自分たちの生活圏に近接して暮らす野生ゾイドを捕獲、捕食していた。
野生ゾイドの金属外皮は硬く、食料とはならないが、その臓器、筋肉の一部は彼らの貴重な蛋白源であった。
しかし野生ゾイドの金属外皮は石器では貫通できない。彼らは経験から、自然の磁性石を用いてゾイドの行動を束縛する方法を会得しており、それは後に磁石へと進歩した。
野生ゾイドは内蔵、特に心臓にも多量の金属元素を含んでおり、時に強力な磁力は野生ゾイドの心臓機能を停止させることもできた。
捕食目的で捕獲したゾイドの金属外皮は、後に高温釜の発明によって、良質の鉄器へと加工されることとなる。
このほかにも野生ゾイドの捕獲方法には多種多様なバリエーションが存在したが、それらはいずれも文字の発明以前の出来事であり、その実証はババホットの鉄板の解読を待たねばならない。
〈ゾイドの捕獲〉
〈磁力を使ったゾイドの捕獲道具〉
〈古代ゾイド人の遊牧〉
■ 家畜ゾイド
野生ゾイドの捕獲技術が進歩し、人々がより集団で生活するようになるにつれて、ゾイドは家畜としての役割を負うようになる。
狩猟民たちは嗅覚の優れた肉食小動物を狩りに同伴させ、代償として戦利品を分け与え、数十代の世代交代を経て、より人間に従順な個体を選択し飼い馴らしていった。
また遊牧民たちは、移動手段として大型鳥類を利用し何世代にも渡って家畜化した。
さらに巨石文明時代にまでさかのぼると、大型のゾイドが巨石運搬のために使用された記録が残されており、ゾイド人とゾイドとの共生の歴史が長いことをうかがえる。
この家畜化の歴史により、より従順で健康な個体だけが選別され、現在では、野生種とは明らかに異なる特性を持つ家畜種が多数存在する。
この人為選択による淘汰は、やがて始まる部族間抗争の時代のゾイド改造技術によって、ゾイドのサイボーグ化へと発展してゆく。
〈ゾイド暦の始まり〉
〈ZAC 1年~ (ZAC元年)〉
■ 遺跡とババホットの鉄板
地質学者ババホットの発見した金属板は、古代の神殿に祭られていた狩猟神に、その年の狩猟で得る事のできた糧を感謝するための一種の報告書であったのではないかと考えられており、そこに記された文字こそ、歴史上最も古い文字であるとされている。
〈ババホットの鉄板〉
■ ゾイド文明の発祥
微惑星群の落下以降、気候は安定した。だが惑星Ziは、1万年~3万年周期で大規模な造山運動を繰り返して来た。
これは、まだ高温、高圧のマントルが地下深くで活動を行っているためで、大陸各地に存在する多数の活火山は、周期的に大噴火を繰り返し、粘性熔岩と火山灰を噴出して来た。
このため巨石文明時代の歴史は、その火山灰の下に埋もれ、惑星Ziに於ける文明発生の起源は、長い間、謎とされてきたのだ。
しかし、ZAC1693年、地質学者ババホットが、大陸東端で発生した大地震の調査中、偶然、土中より古代文明の痕跡を発見。出土した金属板には古代の象形文字が刻まれていた。この金属板自体、その純度から見て狩猟によって得た《ゾイド》の金属外殻を溶鉱炉で溶かして製鉄したものではないかと考えられている。この金属板を「炭素14・年代測定法」によって分析した結果、ほぼ1700年前のものであることが判明した。この年代をZiに於ける文明の起点、すなわち《ZAC1年》とし、文明の紀元であると定義したのである。
鉄を加工し、文字をもっていた古代文明は、我々が考える以上に高度な生活技術をもっていたと思われる。
"ババホットの鉄板"が出土するまで、Ziに於ける文明の起源は統一された説をもたなかったが、この鉄板により、古くから文明は野生ゾイドと共生していた、という事実が解明されていった。中でもこの鉄板の分析に当たった考古学者《タージ・ビー》は、人々が有史以前からゾイドの家畜化を試みていた事等、を解明。
また同時に、この鉄板には、当時最大とされていた巨大神殿の所在地を示している記述がある事を発見した。
鉄板出土から30年を費やし、彼はついに中央大陸南端の岬にこの幻の巨大神殿の痕跡をつきとめ、その完全発掘に成功する。
この神殿からは、古代の貴重な装飾品を始め、多くの貴重な物品が出土したが、中でも神殿に祭られた炭化したゾイドコアは最も偉大な発見であった。これは当時の人々が、死亡したゾイドからゾイドコアを抜き取り、それらを溶鉱炉内に沈め、新個体の発生と早期に成体化される試みを行っていた事の証明であり、ゾイドコアが炭化したのは溶鉱炉内の温度調節の失敗により死亡したためである、との学説を発表している。
この事実は"ババホットの鉄板"が作られる以前から、人々はゾイドと共生し、火と鉄を使っていた事の証しである。そのためZiに於ける文明の起源を、この鉄板の出土年代よりもさらに数百年さかのぼるべきであるという主張が、今なお繰り返されている。
〈ババホット〉
〈タージ・ビー〉
部族間紛争時代
〈中央大陸に広がるゾイド人〉
〈ZAC1700年代〉
ZAC1700年頃の部族分布
〈中央大陸〉
火族
砂族
神族
虫族
地底族
風族
鳥族
海族
■ 人口の増加と他民族との接触
かつて中央大陸には約50以上もの部族が、狩猟、採集生活を送っていた。彼らは次第に原始的血族集団を形成し、集合体としての村を作った。
彼らは居住している地域の特性に合った生活習慣を発達させ、部族の自覚をもち始める。大陸の面積に対し、人口はまだ少なく、領土の所有権をめぐる紛争は発生しなかった。
しかし、やがて生活技術の進歩は狩猟、採集社会を畜産、農耕社会へと変えていった。
それまで人々は、その生活時間の全てを食糧の獲得のために使っていたが、畜産、農耕社会の到来により食糧の備蓄が可能となり、また食糧の生産にかかわらない有閑層を作り出した。この事が人口の爆発的増加へとつながり、また高度な統治社会を形成していった。
民族同志は頻繁に交易を行い、その物々交換はやがて金貨による通貨経済を発達させた。交通手段としての家畜ゾイドは、それ自体が商品となり、大陸全土に一定の価格で供給されるようになる。
このころになると、各民族はその生活領域を完全に自分たちの領土と意識し、その領土こそ自分たちの生活の根底にある絶対的なもの、と認識するようになった。
山岳地帯に住む鳥族、海に住む海族、砂漠に住む砂族、地下に隠れ住む地底族が、その代表的なものである。
やがて通貨の流通により部族集落間に、はっきりとした経済的格差が生まれた。優れた畜産、農耕技術をもち、様々な魅力的な生活用品を生産できる部族たちは経済的に台頭し、それ以外の小さな部族を吸収していった。
そして中央大陸には、はっきりとした部族集団による勢力地図が描かれるようになった。
この時点で、人々の生活を支えていたのが、家畜ゾイドたちである。それらは輸送用、土木作業用、競技用、そして防衛用と、様々な用途に分類され、多くの部族は、それらの統括を公営にて行っていた。
〈当時の街の風景〉
〈代表的部族とゾイド乗り〉
〈ZAC1000~1700年代〉
〈風族ゾイド乗り〉
〈オオカミ型〉
(コマンドウルフ)
■ 風族と動物型ゾイド
風族は、標高の高い高地に住んでおり、古代の巨石文明を築いた民族の末裔と考えられている。
古くから高水準の生活技術をもっており、巨石の運搬、加工技術に長け、そのために必要な幾何学も発達していた。古代の石造りの生活用水路は、勾配が1/1000という、現代土木技術ですら難しい精度を誇り、石によって造られた家は一千年の耐久性をもつと言われている。また文明の初期に於いてすでに風車などの自然エネルギーを使っていた。
論理的思考の持ち主たちで、古くから平和、人権を守る事を徳とし、性格は総じて温和。
身体的特徴としては髪は黒、眼はグリーン。有史以前からあまり他民族との交流がなく、単一民族として繁栄し、共和制を敷いている。
古くから狩猟のために小型肉食獣ゾイドを家畜化して使い、何世代もの人為的選択により、人間の複雑な命令を理解して行動する知能の高い、オオカミ型ゾイドの繁殖に成功している。
彼らはこのオオカミ型ゾイドを運搬用、交通用、競技用、防衛用と、あらゆる用途に使い、彼らと共に氷河期を乗り越えて来たのだ。
彼らはこれら家畜ゾイドを、自分の本当の子供のようにかわいがる、と言われている。
〈海族ゾイド乗り〉
〈エイ型〉
(シンカー)
■ 海族と魚型ゾイド
"海族"と、まとめて呼ばれる種族だが、実際には幾つかの種族の集まりである。
そのルーツは大きく分けて北方のバイキング的種族と、南方の漁師族に分けられる。
しかし彼らは有史以前から、海産資源の分配などをして交流し、社会的に進んだルールを共有していた。生活圏をおびやかす外敵に対しては協力して立ち向かうなどして、海から糧を得る者同士の仲間意識をはぐくんでいった。
その後(有史以来)の交流によって、すでに身体的特徴で両者を見分ける事は難しく、彼らは一様に髪は黒、瞳は濃いブルー、肌はわずかに青みをもつ種族である。
古来より造船技術に長け、どの部族よりも早くZiの世界地図を作り、同時に航海に必要な星の運行周期を等分して独特の暦をもっていた。
舟を航行させる目的で、エイ型ゾイドの家畜化を始めたのはやはり有史以前の事で、彼らはこれにより、海流に逆らっての商業航海を行い利益を得ていた。
また他の部族がテリトリー内を通過する際は航海税の徴収を行い、同時にその舟を護衛するための武装集団を結成した。
この際にも、充分に飼い慣らした魚型ゾイドを多用し、海上での機動力を誇った。
〈代表的部族とゾイド乗り〉
〈ZAC1000~1700年代〉
〈鳥族ゾイド乗り〉
〈ワシ型〉
(ショットイーグル)
■ 鳥族と鳥類型ゾイド
広大な原生林地帯を生活圏とする種族。
木とその実を生活の糧とし、自然との調和を重んじ、木に宿るとされる自然神を崇拝する平和的部族である。
巨木上に住居を作り、家族制度を重んじる。
木の加工に関する技術を発達させ、樹脂などを接着剤としてさまざまな生活必需品を作り、他の部族との交易も行った。
古くから原生林に住む鳥類型ゾイドを家畜化し、運搬、土木、戦闘目的で使用した。
中でも鳥類型ゾイドに乗り、空中戦を行う兵士は人々から崇拝され"戦士"の称号を与えられ、その血筋は血縁によってのみ世襲されていた。
残された最古の"ゾイド飼育のため"の文献には、ゾイド使いはゾイドと寝起きを共にして手なずけた、との記述が残されており、ゾイドを飼い慣らそうとする当時の彼らの熱意を感じる事ができる。
彼らの身体的特徴は瞳は黒あるいは濃いグレー、髪は金色。
また文明の起源とされる当時、原生林地帯は気候の変動に襲われ、気温が下がるたびに別の原生林地帯に大移動を行ったという記述が残されており、これは四季の到来ごとに行われていたと思われる。
〈虫族ゾイド乗り〉
〈クワガタ型〉
(ダブルソーダー)
■ 虫族と甲虫型ゾイド
雨期になると広大な湿地帯となる草原に住む部族。湿地帯は地形が把握できず、そのため他の部族はこの地域への侵入を行わなかった。古くは湿地帯は疫病の発生源と考えられていた事も手伝って、彼らは生活圏を守り続ける事ができたのだ。
降雨量によって出現、消滅する湿地帯を追って、彼らは居住地を移動する必要があり、そのため巨大な都市国家をつくる事はなかった。他の部族たちが大きな集落や街をつくり人口を増やしていったのに対し、虫族たちは常に少数で移動する生活を送り、そのため人口も少ない。
彼らは古くから甲虫型ゾイドを家畜化し、共生して来た歴史をもつ。
どんな楯も通さない非常に硬い甲虫の外殻は、彼らにとって貴重な財産とも言え、死亡した甲虫の殻を体にまとえば無敵の鎧として使用できたし、また盾や槍として加工すれば素晴らしい武器となった。
また力の強い甲虫は、彼らの住居を作る材料である石、木を運ぶ運搬用として、そして飛行する甲虫は戦闘用として使用された。
戦時には優れた矢や槍、楯を作りそれらを売って利益を上げた。身体的特徴としては肌はブラウン、髪はグレー、瞳はブルーグリーン。雨の神を崇拝する。
〈代表的部族とゾイド乗り〉
〈ZAC1000~1700年代〉
〈火族ゾイド乗り〉
〈始祖鳥型〉
(シュトルヒ)
■ 火族と鳥型ゾイド
活動する火山地帯を居住圏とする部族。氷河期ですら、これらの地域は凍結することがなく、彼らは太古より火の神を崇拝して来た。
古くから地熱を使い、水蒸気による動力で工作機械を作り、家や道を作るなど、独特の技術を発達させて来た。
部族としての団結は非常に強いが、他部族への不信感も強く、好戦的である。これは、武力を重んじ、強さを善とする彼らの文化に由来する性格で、その社会は武道による階級制が中心となっている。
彼らはどう猛な始祖鳥類ゾイドを飼い慣らし、火山地帯を飛び回り移動手段としてきた。
これらのゾイドは、他民族では飼い慣らす事が不可能で、このゾイドを用いた一撃離脱急降下戦法は彼らの最も得意とする戦術であった。
もともと生体として原始的なこの始祖鳥類型ゾイドは、その数を増やすのが難しく、その飼育方法は火族の中でも《ゾイド使い》しか知らない極めて秘密性の高い技術であった。また戦士の中でもこの始祖鳥類型ゾイドに乗る者はエリートとされ、尊敬された。
彼らは幾つかの街を築き、ふだんは分かれて暮らし、戦時には団結して敵と戦う。
身体的特徴としては肌は褐色、髪は黒、瞳は赤。
〈砂族ゾイド乗り〉
〈トカゲ型〉
(ヘルディガンナー)
■ 砂族と爬虫類型ゾイド
かつて、広大な砂漠地帯に、巨石文明を築き、巨大な石の都市を作った偉大な部族の末裔。かつての彼らの文明は非常に発達しており、他の周辺部族を従え、一時は巨大な都市国家を築きその勢力を誇ったが、ZAC1600年頃を境にその勢力は急速に衰え、都市国家は分裂し巨石文化も失われてしまった。
これは当時、恒星の熱放射活動の変化により、砂漠の気温が上昇、生活用水の深刻な不足が長年続いたため、と同時にあまりに多くの他民族を吸収したため、と考えられている。
その後、彼らは砂漠に点在する小さな集落での生活をつづけた。
彼らはオアシスに生活の拠点をつくり、爬虫類型ゾイドを家畜化して生活していた。
数種類の爬虫類型ゾイドを、運搬、土木、戦闘用として飼育し、共に生きて来たが、あまり他の部族との交流を行わず、孤高に砂漠に住みつづけたため、その実態はあまり知られていない。
太陽神を崇拝し、その身体的特徴は、髪は白、瞳は黒。かつての都市国家崩壊以降、排他的となり、周囲の部族からはうとましがられて来た。
〈代表的部族とゾイド乗り〉
〈ZAC1000~1700年代〉
〈地底族ゾイド乗り〉
〈イモムシ型〉
(モルガ)
■ 地底族と昆虫型ゾイド
中央大陸、中央山岳地帯の地下には氷河期によって削り取られた広大な地下洞窟がある。地底族は有史以前からこの地下洞窟に住み、独特の文化を発達させて来た。そこは太陽光も届かぬ地中の世界だが、気温は地熱により、一年中温暖で安定し、また深い洞窟は、外敵の侵入を許さない自然の要塞であった。
彼らは地底に暮らし自給自足をしていたが、穀物などが必要となると集団で地上におもむき、必要な物を調達、採集して来た。だが、いつしか地上には他部族たちによる村や街が作られ農耕地はその部族たちの所有する所となる。それでも、地底族は以前と変わらず地上に現れては農耕地から食糧を奪っていった。
この事が地上に住む部族たちの反感を買い、地底族は正体の判らぬ恐ろしい戦闘集団という汚名をきせられる事となった。
彼らは地中に住む昆虫型ゾイドを多く飼育し、新しいトンネルを掘る作業や、家の建設、物資の運搬にと利用した。
社会的には封建的支配色が強く、家長に対する忠誠が重んじられ、我々こそZiに於ける支配者だ!という強い自負心を持つ。
身体的特徴としては、肌、瞳、共に赤茶。髪はオレンジ。かれらは潜在的に地上への憧れを持ち、軍隊による他部族の領土への進攻も、ひとつの生存手段として正当化している。
〈神族ゾイド乗り〉
〈恐竜型〉
(ゴジュラス)
■ 神族と神獣型ゾイド
彼らの真の起源は明確には判っていない。有史以前、暗黒大陸から渡って来た少数民族か、あるいは他の惑星から来た者たちをルーツとする民族か、その起源は不明のままだ。
炎と光を使う、神秘的な呪術によって政治を行い、人々の病を治し、火山の噴火や転変地異を予測するなどし、また超能力で岩を動かし、精霊を呼び出し、死の世界の住人との間で会話を行うなどの能力があると言われている。
神殿に住み、自らを神の末裔と称し、他部族との交易では、様々な実用的薬草を商品とし、利益を上げた。また、非常に巨大な神獣型ゾイドを守護神として所有し、この事が他部族から恐れられる理由となっている。
この神獣型ゾイドは、すでに地上では絶滅種とされていた太古の恐竜の一種である。彼ら神族は、地下の溶岩溜まりに、今でも絶滅したはずのゾイドが生存している事を古くから知っており、これらを手なずけていたものと思われる。
彼らはなかなか他部族の前に姿を現さず、常に仮面をかぶり素顔を見せず、その神秘さを強調して来た。身体的特徴は、肌が白く、髪と瞳は共に銀色。
これはZiに生きる人類の突然変異体であると考えることができる。
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